当分アニポケがお休み、そこで今回はXYより「セレナVSサナ!ポケビジョン対決!!」の振り返りです。
セレナが敗北・挫折し覚悟を決めるといえば、ポケモンパフォーマンスの初陣回を挙げるのは言うまでもない
わけですが、その前哨敗北挫折覚悟回ともいえる回がこの話といえるでしょう。
この1話前に彼女は巻末で、桟橋でフォッコを膝に抱え、サトシやサナたちが夢を持っていること
それに対し自分が夢を持っていないことに焦りを感じていることを漏らします、これまでにない感情を
あらわにします、彼女にとってここまでの旅は、後に自らの口で発せられる通りサイホーンレースの練習が
嫌なので、そしてかつて助けられたサトシと旅ができるからという所以です、勿論ここまでの旅の中でも
泥になってでもフォッコを助けに行き、何かに夢中になることが良いことであることを学んだりと
彼女なりに伸びていくのですが、焦りという感情はこれまでにありませんでした
けれどもサトシやシトロンたちに加え、サナたちも持っていることで、自分だけが持っていないことを
痛感させられます、僕自身もこのポケビジョン回とその前の回との間で、焦りはあってもそれほど深刻では
ないだろうと軽く考えていました、しかし想像以上に彼女の焦燥感は重いものでした
冒頭笛を吹いて走りこみから、薄々いつもと違うことが感じ取れます、そしてサナからエルのことや
ポケモンパフォーマンスのことを教えてもらい、自分の無知を思い知らされます、そしてロケハンとなり
森の中で最適の場所を探し出しますが、あのサトシですらセレナを止めようとするほど制御がきかなく
なってしまいます、この時の彼女がいかなる心境だったかを紐解くヒントとなるのがOPでセレナ
版へと変わった時の映像一枚です、サトシが手招きをしているとき、彼女は木にもたれ、仲間たちと
距離が置かれています、ようは疎外感と焦燥感が同時に彼女を蝕んでいることになります
だからこそ、そこから早く逃れたい、何とかしなければならない、それが彼女をあそこまで突き動かした
要因でしょう
しかし我に返った時、目にしたのは大好きなサトシを自分のせいでケガをさせてしまう現実であった
足首を冷やすのが精いっぱい、自分が自分ですらなくなりそうなくらい、張り裂けそうな気持になった
そんな彼女を救うのは、他でもないけがをした張本人である彼、彼の温かい言葉にようやく彼女は
しょっていたつらい事実を口にする機会を得る、自分に夢がないことを、するとポケモンと一緒に
夢を探しても良いと、これからゆっくり見つければよく、フォッコもそういっていることを教わる
この失敗を教訓にしたビデオ撮影は大成功を収める、それは回り道をしても良い、失敗しても良いと
彼女が気づかされた瞬間である、初挑戦で彼女が敗北し、それでもなお前進し、あれほど大胆な決断に
至った要因の一つに、この時に学んだことが活かされていることでしょう、
この後にバトル経験でも、これを機にまた強くなればいいことを彼から教わりますが、セレナは
作品を通して最も「覚悟」を要求する描写が多かったゆえ、このビデオ撮影、そしてパフォーマンスを
見てみたいという、彼女自身が自らの意思で動き出す、いわば産声を上げたこの段階でもその「覚悟」が
みられましたね